2015年03月

私には、どうしても納得がいかないことがあるんです。

doraemon
ドラえもんは何故「タヌキ型ロボット」などという謂れのない中傷を受けなければいけないのか。
22世紀の人間はこう言うでしょう。
ネコのくせに耳が無いから悪いのだと。
しかし、よくよくデータを見直してみてほしいのだ。

tanuki
タヌキにも耳があることがわかる。
「耳が無いからタヌキ型なのだ!」というのは、裏付けのないただの言いがかりなのだ。

つまり、ドラえもんがタヌキ型ロボットであるならば、

korosuke
こいつだってタヌキ型だし、

28gou
こいつだってタヌキ型だし、

sazabi
こいつだってタヌキ型なのだ。

dorami
むしろ、耳が付いているこいつのほうが、ドラえもんの数倍はタヌキっぽいじゃないか。
ドラえもんだけをタヌキ呼ばわりするなんて、ひどいヘイトスピーチじゃないか。


いや待て。
分かった。百歩譲ってドラえもんはタヌキ型ロボットだとしよう。腹の丸い古狸だとしよう。
しゃあ猫型ロボットにふさわしいのは誰だ。

wikipediaにはこう書いてあります。
ネコの特徴。

・肉食である。
eva1

・目が非常に大きい。また、緑色の目を持つ。
eva2

・「オアーン」のように、威嚇の際に独特な唸り声を出す。
eva4

・身体がとてもやわらかい。
eva3
(すべての生命はLCLという液体でできている)

eva3_2
(伏臥上体そらしの新記録画像)


以上から、真の猫型ロボットはこれに決まりました。

aibo1
HONDAのaiboです。

※エヴァはロボットではありません



今日の曲 - スピッツ「猫になりたい

その言葉を口にした瞬間に、彼女の恋は終わっていたんだ。

彼女の口がひとつの言葉を紡ぐ。
「好きよ」というただその一言、そして差し延べられた手、そういった物たちを取ること。それはどう転んだってあり得ないことで、おそらく彼女自身にだって分かっていたと思う。
けれどもその瞬間に立ち止まってしまった僕は、次の一歩を踏み出せずにいる。
目の前の白くて細い腕を手首を指を、押し返すことも出来ずにいる。
どういう言葉で伝えればいいのか。
この時間、この距離、これからまだ続いていく二本の長い道、彼女を最も優しく包み込む言葉を探している。そっと柔らかく暖かく押し出していくような。
幾つもの言葉が虚空へ消える。肺を満たしてはぽろぽろと零れる。
僕は迷っている。

いくつもの光を見送った後、先に口を開いたのは彼女のほうだった。
「やっぱり思った通りの結果」ため息とともに肩を落とす。
「……ごめん」
彼女の目さえ見られずに謝る僕を、彼女は刺すように見ている。「なんで、あなたが謝るのよ」
「いや、だって――」「やっぱいいや」僕の言葉は遮られる。
「あなたは勘違いしてるかもしれないけど」彼女は言葉の鼻先を掴んで投げ捨てるようだった。「あなたの返事なんて、もうどうでも良いんだから」
「私が言ったのは、やっぱりあなたは肝心な時に迷ってばっかりの男だってこと。YesかNoかくらいハッキリしないと、お互いに時間の無駄」彼女は僕に、口を差し挟む暇さえ与えてはくれない。「お互いに、先はまだまだ長いんだから」
差し出されたままの手は、僕の胸の真ん中を強く付く。まるで刺し貫くように。
「だから私から、あなたを振ってやるんだ」
そして下ろされた手を追うように腕を伸ばす。そして抗議する。
「いやいやちょっと待ってよ、なんでこっちから告白したけどフラれたみたいになってるの」
彼女の握りこぶしが僕の手のひらの真ん中を叩く。甘やかな衝撃がじんわりと広がる。
「いいじゃないそれで、私はあなたを選ばなかった、私の恋は終わった」
最後の光とばかりに賑わう声を遠く聞きながら、光も当たらない校舎の端が何故こんなに眩しいのかと訝る。南風の通らない廊下の片隅がどうしてこんなに暖かいのかと考える。
彼女の右手が触れたままの右手が熱い。
「ねえ、どうせその上着、もう着ないんでしょ」
開いたままの彼女の左手が、僕の着る濃紺のブレザーを引っ張る。
「どうせ今日で最後だから」僕が答えると、
「じゃあ、ボタンくらいはもらってあげる。どうせあげる人もいないんだろうし、余っても無駄だから」
「第2ボタンってやつ? 別にいいけど」
「違う、だから勘違いしないでって」彼女は上着のポケットから糸切りばさみを取り出す。「全部だよ」
抗議する間もなく、制服のボタンは全てはさみで切り取られる。前だけではなくて、袖のボタンまでも全て。その時に僕が感じていたのは、彼女の右手が離れたあとの空気の冷たさだった。
「まるで強盗みたいだよ」
そんな僕の言葉を無視して、計7個のボタンをじゃらじゃらと弄びながら、
「私は大学に入って、楽しく過ごして、とてもきれいになるんだ。そしてあなたは、何であの時に捕まえておかなかったんだって悔やむ、でももう遅いんだ。きれいな花が欲しかったら、咲く前に取らなきゃ駄目。そうしないと目敏い誰かに摘まれちゃうから」
じゃあ私はもう行くね。
そして彼女は踵を返す。ふわりと髪が舞い、彼女の表情はもう見えない。
何か言わないといけない、何故だかそんな気がして必死に言葉をかき集めたけれど、
「卒業おめでとう」
出てきたのはそんな陳腐な言葉だった。
「あなたもね。卒業おめでとう」
そして彼女は振り返らなかった。
ある意味で彼女は正しかった。結局、最後に見つめていたのは僕のほうだったのだ。



今日の曲 - Tommy february6「bloomin'!
(春の曲シリーズその8)

春の歌シリーズその7。
春は終わりから始まります。
桜の開花を待たずして別れの季節は始まり、
桜が散り終わる頃に人々は出会います。
欠伸混じりの通学路で桜を見ることなんてほとんど無いから、
桜を一緒に見るのは、根本的に、とても大事な人とだけです。
だから桜は美しい。

桜の周りをくるくると周るように、
別れと出会いを単振動のように繰り返しながら、人は大きくなっていくのです。

Hysteric Blueの「春~spring~」は、春という季節を分かりやすく示した名曲です。
歌詞が意味不明とよく言われますが、しっかりと読んでみると、とてもよく練られた歌詞であることが分かります。

知っての通り、春は英語でspringです。
すなわち、
フックの法則: F=kx(k:ばね定数、 x:位置) -(☆)
で表される一般的な「ばね」です。

 あぁ 同じ視点で見ている世界が
 あぁ 二人ビミョウにずれてた


これはどういうことか。
二つのばねのばね定数をそれぞれk1、k2としたとき、
運動方程式: F=maを代入することで、これらの角速度ωは、ω = 2π(m/k)^1/2
から、
ω1 = 2π(m/k1)^1/2
ω2 = 2π(m/k2)^1/2
となり、ずれることが分かります。すなわち、t=0で重なり合っていた単振動は、時間とともにずれを生じるのです。
時間とともにずれは拡大し、tc(n) = (2πn-1)(ω1 - ω2)に達した時に再び出会うのです。

 春が来るたびあなたに会える

とは、このtc(n)のことを示しています。

また、最も謎と言われる歌詞、

 授業よりも食事よりも もっと大切なコト
 私……歌が好き……


についても、この歌がばね視点であることを考えれば、つまり、こういうことです。

世の中には、

こういうところに使われているばねや、
pen

こういう使い方をされるばねもあるけれど、
hakari


私はこうなのだ。
metro_old

なんというプロ意識。

 あぁ 世間が 愛想尽かせても

今や、メトロノームなんて音楽の授業でしか見ないのに。
敢えて、シャーペンや重量計のような売れ線J-pop路線に乗ることなく、
プロの手で美しいクラシックを響かせるために私は存在しているのだと。
そんな意識高い系の曲だったんです。

 そういう気持ちを忘れずにいたら
 強く生きられるような気がして


そういう気持ちを忘れずにいたら、
獄中でも強く生きられるような気がして。

 揺れる笑顔 あとわずかな時間 近くにいたかった それでも

春は出会いと別れの季節です。



今日の曲 - Hysteric blue「春~spring~

春の歌シリーズその6。
中学校の卒業式の日に合唱で歌った曲です。
大学の頃は詩ばかり書いていましたが、詩人とは、谷川俊太郎みたいに自由な人のことを言うのだと思います。
この曲は、私が知っている中で最もよく春を表した曲だと思います。
始まりと終わりの境界、
物質と反物質が背中合わせになったような緊張感がある季節です。

今日、東京で桜が咲いたようです。
名実ともに春ですね。
ここからは進んだり戻ったりしながら、一歩ずつ着実に上がっていくのだ。

桜といえば、この季節によく使われるのが「サクラサク」「サクラチル」という表現。
今日では、受験の結果を端的に示すものとして知られていますが、もともとは早稲田大学が発祥のようで、
遠隔地の受験生に合否を電報で伝えるという、大学と電電公社のコラボレーションサービスだったとか。
そんなふうに早稲田のローカルサービスだったから、その他にも様々なパターンがあったようです。

例えば、奈良教育大では、
合格→「ダイブツ ヨロコブ」 不合格→「ダイブツノ メニ ナミダ」
奈良っぽく大仏ですが、しかし、一人の合格不合格で一喜一憂する大仏。
一人が神様まで動かすなんて、どんだけセカイ系の世界観なんだ。
まさか、その受験生はパイロットか何かなのか。
大仏に乗って使徒から世界を救ったりするのか。
使徒は螺髪フィールドみたいなバリアーを張るから、大仏に乗って同種の螺髪フィールドみたいなやつで中和しないと近づけないのか。

マハーマゥドガリヤーヤナにありがとう
プールナ・マイトラーヤニープトラにさようなら
そして、
全てのティヤーナード・ディヤーナに おめでとう

みたいな最終回か。


また、例えば、東京商船大では、
合格→「トラ トラ トラ」 不合格→「チンボツ」

いや、どっちにしても結果は同じ気がするのですが。
今全滅するか、原爆を2発落とされてから全滅するかの2択しかないんですが。


それは「サクラサク」「サクラチル」にも言えますよね。
例えば、次のような光景が挙げられます。


千鳥ヶ淵の周りを埋め尽くす、多くのサクラ、サクラ……
そう。サクラは重なり合い、まるで雲のように世界を埋め尽くす。
春の中心部はサクラに支配されて、他は何も見えない。
mac


しかし。
季節が過ぎたらどうなるのか。
春は一瞬で熱を失う。サクラは空気に掻き消えて、残るのは燃え切れなかった残滓だけ。
mac2



今は。そう、春のこの瞬間だけは、桜が咲いて美しいかもしれない。
でもその後はどうなるんだ?
ほら、もう散っていく。その後には何も残らない。
ただ枝だけが燃え残って……

いや、違う。
あれは何だ?

mac3

まさか……さくらんぼか? 花は後に実を残して行ったというのか……?
そうか! 花は実を残す、実は種を残す。そして種は花を新たにつける!
そうやって命は連綿と受け継がれていくんだな!

さくらんぼワショーイ!
さくらんぼワショーイ!
いただきます!

⇒まずい(断言)

※ソメイヨシノのさくらんぼは小さくてまずいので注意。コスパは最悪です。



今日の曲 - 「春に

春の歌シリーズその5。
ぎこちない歌声は春が始まる前のもやもやとしたエネルギーに重なって、とても良いです。
松たか子が歌う中で一番好きな曲は? と聞かれたら、迷わずこの曲を挙げます。
Let it go? いや、あれはMay Jの曲ですから(真顔)

 明日、春が来たら 君に会いに行こう

という歌詞は実に羨ましいです。
そんなことやってる余裕があるなんて、もう世間は春休みなんだろ。3/21から春休みなんだろ。
いいな長期連休。休み欲しい。

私には納得がいかないのです。
夏は暑いからやる気でない。だから休みが長い。
冬は寒いからやる気でない。だから休みが長い。

じゃあ春休みってなんだ。
暑くもなく寒くもない。乾燥してなきゃべたべたもしてない。昼も適度に長い。
なんという理想的な気候。
こんな時期にやる気出ない奴は毎日がクリスマスとか毎日がエブリデイとか、そんな奴だけじゃないのか。
ちなみに私はやる気が有りません。出ないんじゃなくて最初から無いんだからセーフだ。

それともあれか。花粉症なのか。
春は花粉症だからやる気出ない。だから休みが長い。
いや、だったら秋も休みにしてくれよ。セイタカアワダチソウ花粉症の怖さを知らないのか。
奴らはスギとかヒノキと比べ物にならないくらい近くに、大量に咲いているのだ。こいつらがいる限り秋は死の季節だ。やる気なんて出るわけないんだ。
もちろん夏にはイネ花粉症だってある。

冬が無いじゃないかって?
いや、そもそも季節で花粉症原因が変わるなんていう考え自体が甘いのではないか。
Spring, Summer, Autamn, Winter and you!なんて季節を分けること自体がSHYな言い訳仮面で隠してるんじゃないか。
日本人のアレルギー原因として最もポピュラーなのは「ハウスダスト」なのだ。
ハウスダストは季節を問わず存在している。
すなわち、春休みが存在することは、帰納的に、季節を問わずに長い休みが取れることを示しているのではないか。

今日はハウスダストが多いからやる気が出ない。だからずっと休み。

また、こういう言い方もできます。
このデータを見ると、
年代ごとの花粉症罹患率として、
10代: 1.2%
20代: 14.9%
30代: 35.8%
という数字が出ています。10代に比べ、20代は12倍、30代では30倍だ。
小学生から高校生までの12年間、10代は春休みを3/21~4/4までの15日間取っている。
ということは。春休みが花粉症ベースであるならば、
春休みの期間は、20代は180日、30代では450日ということになります。
すごいぞ。30代になればいっぱい休める。これなら夏休み冬休みは無くても許す。


(20代の頃)
gozaru


(40代の頃)
gozaru2


 I love you あれは多分、永遠の前の日



今日の曲 - 松たか子「明日、春が来たら

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