冬の女王といえば広瀬香美です。

1990年代には、 冬が来るたびに、そしてクリスマスが近づくたびに広瀬香美の曲を聴いて胸を躍らせたものです。
あの頃、何一つとして同じクリスマスは存在しなかった。それは多分、毎年のようにクリスマスソングが新しく生まれては街を彩り、流れていったからなのでしょう。
冬の風景はストロボ越しの光。
クリスマスはマライア・キャリー無しでも輝いていたんだ。

現代人は多分、毎年冬になるとAlpenのCMで広瀬香美の曲が流れ、
少し遅れてスキー場を、そして街中を染め上げていったことを知らないのでしょう。
というか、Alpenとは何だってレベル。
あの頃は小学生でさえ広瀬香美を歌っていたのだけど。

そんな中にいた時期に比べて、
最近のクリスマスは閉じている。
2曲しかないマキシシングルをぐるぐるリピートしているような。

だってそうだろう。 現代のJ-popアーティストに、冬の女王なんていない。
あんなインパクトを持った人がこの時代に存在するのか。

毎年冬になるとオリコン1位に現れ、
日本中のテレビは同じ曲のCMを流し、
誰もがカラオケで同じ曲を歌う。
こんな奴がいるのか。
いるわけないだろ。


【AKB48 冬のシングル売り上げ及びオリコン最高順位・タイアップCM一覧】
・2014年 希望的リフレイン 1,197,482枚 1位
 CM:アサヒ飲料『WONDA ワンダフルあ­みだくじキャンペーン』「あみだくじ編」
 CM:アルペン スポーツDEPO ウィンター
 CM:トークアプリ『755』
 CM:スカパー!『AKB48グループ 夏祭り』

・2013年 鈴懸なんちゃら 1,084,455枚 1位
 CM:アサヒ飲料『WONDA×AKB48 キャンペーン』「ワンダ限定! スペシャルイベント AKB48非売品ライブご招待!〈WONDAの先に〉篇」
 CM:ひかりTV『AKB48コント「何もそこまで…」』
 CM:カルチュア・コンビニエンス・クラブ『TSUTAYA30周年 冬の生誕大感謝祭』「TSUTAYAだけ篇」・「TSUTAYAは30歳篇」

・2012年 永遠プレッシャー 1,206,869枚 1位
 CM:UHA味覚糖『ぷっちょ×AKB48「上からマリコ」』「ノーマル篇」・「グー篇」・「チョキ篇」・「パー篇」
 CM:ぷらら『ひかりTV×AKB48』「タクシー運転手篇」・「サディスティック女医篇」・「エリマキトカゲ篇」・「ひょっとこキャディー篇」

2011年 上からマリコ 1,304,933枚 1位
 CM:UHA味覚糖『ぷっちょ×AKB48「上からマリコ」』「ノーマル篇」・「グー篇」・「チョキ篇」・「パー篇」
 CM:ぷらら『ひかりTV×AKB48』「タクシー運転手篇」・「サディスティック女医篇」・「エリマキトカゲ篇」・「ひょっとこキャディー篇」



あっ……
いや、それでもあれだ。
夏にだって夏の王様がいたんだ。
サザンとかTUBEとか。



【AKB48 夏のシングル売り上げ及びオリコン最高順位】

2015年 僕たちは戦わない 1,782,000枚

2014年 ラブラドール・レトリバー 1,662,265枚
      心のプラカード 1,061,760枚

2013年  心のクロール 1,955,162枚
      恋するフォーチュンクッキー 1,528,852枚

2012年 真夏のsounds good! 1,822,220枚
      ギンガムチェック 1,314,428枚



あっ……


そうか、よく考えてみたら、確かにそうかもしれない。
あの頃は、冬の女王だった広瀬香美が夏にシングルを出してみたり
夏の王様だったサザンのウィンターソングをKFCがクリスマスバーレルのCMに起用したり、
そういうことも平然とやっていたのだ。
まさにクリスマスの中心に、夏の王様が立っていたのだ。

今だってそうだ。
冬の王様であるAKBは夏にだってCDを出す。
夏の王様であるAKBは冬の中心に立っている。

なんだ、日本の音楽は昔と何も変わらないじゃないか!!!

 

今日の曲 - 広瀬香美「ストロボ」