VIPでテキストサイト」の2014年振り返り企画。
ここで書くのは、2014年10月の出来事について。

10月にも色々なことがありました。
例えば皆既月食
聞いてたJ-waveでは「めっちゃ曇ってます!」って言っていましたが、
茨城県では雲一つありませんでした。
茨城は関東ですが!とてもよく見えましたよ!(震え声)

でも、いちばん大きかったのは、これでしょうか。
国立競技場の聖火台が取り外される

2014年5月を最後に、国立競技場は閉鎖、建て替えられることとなりました。
1964年10月10日の東京オリンピック開会式から50年もの間、競技場の上に立ち、様々な場面を見守ってきた聖火台はこれを機に取り外され、新しいステージへとその居を移します。

国立競技場といえばサッカーの試合、特に日本代表戦で使われることが多かった競技場ですが、
私はそれよりもライブ会場としての国立競技場のほうに思い入れがあります。サッカーの試合は見に行ったことないですし。
それはやはり、今ではほとんど活動しなくなってしまったL'arc~en~cielによるところが大きいでしょうか。
2012年の20周年記念ライブ、2014年の思いつきライブと2回行ったのです。
両方ともメインスタンドの4番ゲートという遠い席で、2014に至ってはX列。そんな遠い列の名前初めて見たぞ。
そういう理由で、どちらの場合もラルクは殆ど見えません。hydeに至っては消えてました。多分身長の問題だな。うん。

あまりにもラルクの姿が見えないので、どちらかというと、ライブの最中は外の景色をずっと眺めていました。
赤坂、六本木といった街並です。青空の下、ライブが始まった頃には灰色がかって廃墟のようだった街並は、ライブが始まり客席に熱が入って来る頃に少しずつ明かりを灯らせはじめ、徐々にその輪郭を浮かび上がらせます。ぽつぽつと火のついた赤色灯は、疎らに散らばる星を眺めているようです。
ライブが佳境に入った頃には、空は静かに温度を落としていき、その代わりに町がその全貌を表します。それはまるで、ひとつの時代がフィルムの回転とともにくるりと終わって行くように見えました。
国立競技場で見たものは、それがほぼ全てです。

2014年5月のサヨナラ国立の2日目では、マンウィズやPerfumeといった、今まで意識したことのないアーティストたちが素晴らしいパフォーマンスをしていました。
もちろんラルクも。
そんな幻燈のような一瞬も、過ぎ去った今ではあまり思い出せません。
多分、再生するメディアが無いのだ。もうどこにも。


4年後に建設完了する新しい国立競技場では、今までの聖火台を移築し、新しい世界を見届けてもらおうという試みが成されているようです。
それはそれで結構なことですが、だったら最初から立て替える必要なんて無かったんじゃないか、そう思うのはただ私が懐古趣味なだけなのでしょう。

古い時代はいつか終わる。ちょうど東京オリンピックが旧い日本を塗りつぶしていったように。
だからせめて、新しい場所は、より美しい世界を築いてくれれば良いと願います。今の時代が小さく霞んで見えなくなるくらいには。



今回の曲 - Larc~en~ciel「未来世界