No.101の記事から。

例えば、ジョイマンは、以下の二人で構成されています。

・高木晋哉
早稲田大学出身で、小島よしおと入学年度が同じ。
ラップが得意らしい。
アンガールズの田中に似ているとよく言われる。

・ジョイマンじゃないほう
詳細は知らん。


その他にも、
ドランクドラゴン: 塚地と一般人
ますだおかだ: 岡田と他一名(名前は知らない)
Mr.children: 桜井さんと桜井さんじゃない人たち
米米club: カールスモーキー石井と、その隣にいる奴と、他(人数は知らない)
アンタッチャブル: ピン芸人
など、様々な人たちがいます。

この概念をCHAGE&ASKAに適用するとどうなるのでしょうか。

CHAGE&ASKAのCHAGE&ASKAじゃないほう。
ASKAが居ない今となっては、いったい誰がCHAGE&ASKAになるのでしょうか。
そのイデアはどこにあるのか。

例えば、今それは、帽子を脱いでしまったCHAGEの頭上のHAGEなのかもしれない。
一体それ以外に、何がCHAGE&ASKAに残っているというのか。
そこに在らざるものをして、我々にCHAGE&ASKAと言わしめる。
まるでそれは、穴こそがドーナツの存在証明であるというドーナツホールのパラドックス。

そう、それはCHAGE&HAGE。

昔、そこには確かにHAGEではない何かがあったのです。
しかし、無くなった今では、その空隙こそがそれをCHAGE&ASKAたらしめているのです。
空隙が無ければ、CHAGE&ASKAなどもはや存在していないのかもしれないんですよ。


そして、それは私がテキストを書き続ける理由のひとつでもあります。

エネルギー保存則により、
インターネットという閉ざされた空間内部のエネルギー総量は今も昔も変わっていません。
しかし、圧倒的に立ち上る熱量というものを感じることは少なくなっています。
例えば、限られたリソースの中でひとつのジャンルが生まれること。
その萌芽を後発の大波が呑み込んでさらに成長すること。
または仮想の局所的人口密度のばらつき。

これはひとえに、世界のエントロピーが増大しきっていることを意味しています。
エントロピーとは分かりやすく言うと、エネルギーの散らばり具合です。低いほど散らばっている。
エネルギーは高いところから低いところへと流れていくので、そこには力が発生します。それを我々は、仮想的に熱気として観測します。
しかしそのうち、全てのエネルギーは混ざりきり、均一な空間だけが残ります。ちょうど水とお湯を混ぜたみたいに。
その不可逆性を我々は老化と呼びます。

私が求める空隙、もしくはドーナツホールは、言うなれば高い塔みたいなものです。
どこにいても見える、町のビルなんかに邪魔されない、雨の空でも消えたりしない、とても高い塔。
別にそこを目的地としたいわけではないんです。
一日の終わりにそれを見ることで、世界が変わらずにあり続けることを確認できるように。ただ視界の端に留めたい。
そんな塔を求めています。
塔はしかし、このエントロピーの増大しきった世界ではどこにもありません。すべてが平坦な砂漠なんです。

でも私はそこに、ひとつの確かなものとして塔をイメージしています。
それは遥か昔に見た熱気です。例えるならば黎明期のテキストサイト。または小説サイト。
テキストサイト自体に意味はありません。
たまたまエントロピーの低かった時期に目立っていたというだけ。

熱気を求めているから、
私はまず砂漠の砂を使って山を作ろうとしているのです。城なんてそんな大それた物じゃなくてもいいから。
それは小さな足掻きかもしれないけれど、その小さな足掻きは確実に対流を起こします。
その対流が波を起こすかは知りませんが、可能性だけはあります。

動きましょうよ。
そうすれば何かが起こるかもしれないから。



今日の曲: ハチ「ドーナツホール